孫に財産を残すなら生前贈与!知っておくべきメリットと注意点
孫に財産を残したいと考えたとき、「生前贈与」という方法があります。生前贈与は、孫の将来をサポートしながら相続税対策もできる有効な手段です。
しかし、贈与方法を間違えると、思わぬ税負担が発生したり、相続トラブルにつながることもあります。そこで本記事では、孫に生前贈与をする具体的な方法や、そのメリット・注意点を詳しく解説していきます。
孫への生前贈与の方法とは?
孫に生前贈与する方法はいくつかあり、それぞれに特徴や適用条件があります。ここでは代表的な5つの方法を紹介します。
① 暦年贈与(毎年110万円まで非課税)
「暦年贈与」とは、「1年間で110万円以下であれば贈与税が発生しない」という基礎控除の仕組みを利用した贈与です。
不動産や装飾品など、さまざまなものが対象となりますが、主に現金を贈与するのがおすすめです。
② 教育資金の一括贈与(最大1,500万円非課税)
孫の教育費を支援するなら、「教育資金の一括贈与」制度を活用すると、最大1,500万円まで非課税で贈与できます。対象となるのは30歳未満の子や孫のみで、学費や塾代、留学費用なども対象となります。
この制度を利用条件として、専用口座を開設し、適正な用途で使用する必要があります。また、30歳になるまでに使い切れなかった金額には贈与税がかかるため、注意が必要です。
また、この制度は2026年3月31日までの限定制度です。
③ 住宅取得資金の贈与(最大1,000万円非課税)
親や祖父母から、18歳以上の子や孫へ「住宅取得等資金」を非課税で贈与できる制度です。省エネ等住宅の場合は最大1,000万円、それ以外の住宅の場合は500万円まで非課税での贈与が可能です。
こちらも2026年3月31日までの限定制度のため、検討中の方は早めに対応する必要があります。
④ 結婚・子育て資金の一括贈与(非課税制度)
親や祖父母から、18歳以上50歳未満の子や孫へ、結婚・子育て資金を非課税で贈与できる制度です。
書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合や、書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合において、最大1,000万円まで、贈与税が非課税となります。
こちらは2025年3月31日までの限定制度のため、検討中の方は早めに対応する必要があります。
⑤ 生命保険を活用した贈与
孫を受取人に指定した生命保険を利用すると、スムーズに資産を移転できます。
例えば、生存給付金月の生命保険に加入し、事前に保険料を祖父母などが一時払いし、受取人を孫にしておくことで、生前贈与が可能となります。
孫へ生前贈与するメリット
孫に生前贈与をすると、相続税対策のほか、さまざまなメリットがあります。ここでは、特に大きな2つのメリットを紹介します。
① 相続税の節税になる
生前贈与を活用すると、相続財産を減らし、相続税を軽減できます。特に高額な資産を持つ場合、節税効果が大きくなります。
② 孫の将来をサポートできる
教育資金や住宅購入のための資金が必要な際に、孫の人生の大きな節目で支援できます。より良い教育環境を提供することができるため、将来に渡るサポートが可能です。
孫への生前贈与の注意点
孫に生前贈与をする際には、贈与税や相続対策を意識することが重要です。
ここでは、特に注意すべきポイントを紹介します。
① 贈与税がかかる場合がある
110万円を超える贈与には贈与税が発生するため、事前に計画的に行うことが大切です。
また、利用する制度によっては贈与税がかかってしまうケースもあるため、注意が必要です。例えば教育資金の一括贈与の特例などでは、孫が30歳になった時点で非課税枠に110万円を超えた使い残しがあると、その金額は贈与税の対象となります。
こうしたケースに当てはまらないよう、制度の仕組みをしっかりと理解することが大切です。
② 連年贈与とみなされないように注意
毎年贈与を行うことを「連年贈与」といいます。しかし、これが贈与税を逃れるために行われている「定期贈与」だとみなされてしまうと、贈与税が発生してしまう可能性があります。
例えば、毎年同じ額(100万円など)10年間贈与し続けると、税務署から「定期贈与」と判断され、合計額1000万円に対して贈与税が課税される可能性があります。
こうした事態を避けるには、毎年異なる金額を贈与したり、贈与契約書を作成し、あくまでも単独の贈与であることを証明するのも有効です。
③ 孫が浪費しないように工夫する
一括で大金を贈与すると、孫が計画的に使えない可能性があります。そのため、信託を活用し、資金の使い道を制限するなどの対策が必要となります。
また、教育資金や結婚式など、用途を限定した贈与制度を利用するのもおすすめです。
④ 特定の孫だけに贈与すると相続トラブルの原因に
贈与後の相続トラブルは、その後の親戚関係に大きく影響を及ぼします。孫に生前贈与をする際、特定の孫にだけ贈与してしまうと、他の相続人との間で不公平感が生まれます。そのため、遺言書を作成するなど、将来の相続トラブルを防ぐ対策も必要です。
よくある質問(FAQ)
孫への生前贈与について、よくある質問を以下にまとめました。
Q1. 孫への生前贈与に制限はある?
基本的に自由ですが、多額の贈与をすると贈与税の対象になります。
Q2. 生前贈与と相続、どちらが得?
生前贈与は計画的に行うことで相続税の負担を軽減できますが、一度に大きな金額を贈与すると贈与税が高くなる可能性があるため、バランスが重要です。
Q3. 孫が未成年でも生前贈与できる?
可能ですが、親権者が資産を管理することが一般的です。名義預金とならないよう注意が必要です。
まとめ
孫に財産を残したい場合、生前贈与は相続税対策や孫の将来支援として有効な手段です。特に、暦年贈与や教育資金贈与などの制度を活用すれば、税負担を抑えながら賢く資産を移転できます。
一方で、生前贈与には贈与税の発生や連年贈与のリスクなど、注意すべきポイントもあります。せっかく贈与した財産が税金で多く引かれたり、相続時のトラブルにつながってしまっては本末転倒です。そのため、事前にしっかりと計画を立て、正しい方法で贈与することが大切です。
また、孫への贈与は、単に財産を譲るだけではなく、「どのように活用してほしいか」まで考えることが重要です。教育資金として有意義に使ってもらうのか、将来の結婚や子育ての資金として支援するのか。目的を明確にすることで、孫にとってより価値のある贈与となるでしょう。 「早めの準備」と「正しい知識」があれば、孫への生前贈与はよりスムーズに、そして有益なものになります。 ぜひ本記事を参考にしながら、最適な方法を検討してみてください。