【相続に必要な書類一覧】どこで入手するかもわかりやすく解説!
相続の手続きには、さまざまな書類が必要です。
相続の手続きは主に「相続税の申告」、「金融機関の手続き」、「相続登記」の3つに分けられ、必要な書類や取得方法もそれぞれで異なります。
そこで本記事では、相続手続きに必要な書類や取得方法をご紹介します。ぜひ参考にし、スムーズな相続手続きにお役立てください。
共通して必要な書類一覧
相続の手続きにおいて、「誰の遺産」を「誰が相続するのか」は非常に重要な情報のため、この情報を証明する書類が必要となります。
- 被相続人の戸籍謄本・住民票除票
- 相続人の戸籍謄本・住民票
それぞれを取得できる場所なども、詳しくご紹介します。
被相続人の戸籍謄本・住民票除票
まず、どのような手続きであっても、被相続人が亡くなったという証明書類が必要となります。そのため、被相続人の戸籍謄本や住民票除票を用意しましょう。
「除票」とは、住民登録をしていた人が、転居や死亡により除かれた住民票のことを指します。
また、被相続人の戸籍謄本は、出生から死亡までの連続したものを用意する必要があります。こちらの用意が難しい場合、「法定相続情報一覧図」で代用することができます。
戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で取得するものでしたが、令和6年3月1日からは戸籍法が改正され、本籍地以外の市区町村窓口で取得が可能になりました。
相続人の戸籍謄本・住民票
相続対象となる人全ての戸籍謄本と住民票(マイナンバーが記載されているもの)、または全員分のマイナンバーカードを用意する必要があります。
戸籍謄本・住民票はそれぞれ市区町村役場で取得しましょう。
相続税の申告に必要な書類一覧
相続税の申告には、上記の戸籍謄本や住民票以外に、以下のような書類が必要です。
- 有価証券の関連書類(株式や投資信託を相続する場合)
- 金融機関の関連書類
- 不動産の関連書類
- 各保険の関連書類
- 債務・葬式の関連書類
それぞれを取得できる場所なども含めて、詳しくご紹介します。
有価証券の関連書類(株式や投資信託を相続する場合)
相続対象に、株式や投資信託が含まれている場合、残高証明や証書が必要となります。
特に株式の場合は、過去5年間分の取引明細の用意が必要です。残高証明や証書は、証券会社に連絡して取り寄せましょう。
金融機関の関連書類
被相続人が銀行などの金融機関に口座を持っていた場合、残高証明書や預金通帳、入出金明細などが必要となります。
通帳は過去5年分を揃える必要がありますので、注意が必要です。これらの書類は各金融機関の窓口に相談するか、預金通帳などは自宅を探しましょう。
不動産の関連書類
相続対象に不動産が含まれている場合は、「登記事項証明書」や、「固定資産評価証明書」などの用意が必要です。また、不動産の所持一覧である「名寄帳」や、賃貸として貸し出していた場合は「賃貸借契約書」も提出する必要があります。
登記事項証明書は法務局で、固定資産評価証明書は、都税事務所または市区町村役場で取得できます。
各保険の関連書類
被相続人が生命保険に加入していた場合は、「生命保険金支払通知書」や、「生命保険証書」が必要です。また、火災保険や損害保険(掛け捨て型ではないタイプ)に加入していた場合も、その保険証書などが必要となります。
こうした書類は、各保険会社に相談するか、自宅に届いていないか確認しましょう。
債務・葬式の関連書類
被相続人に債務(借金)がある場合、貸借契約書や借入金残高証明書、返済予定表などを用意しましょう。また、葬儀費用も控除の対象になるため、かかった費用の領収書も取っておきましょう。
自宅に見当たらない場合、葬儀会社や借り入れを行っていた機関に相談しましょう。
金融機関の手続きに必要な書類一覧
亡くなった方の銀行口座に入金されたままの預貯金は、相続人の口座に移すことができます。ここでは、その手続きに必要な書類の一覧をご紹介します。
- 遺言書または遺産分割協議書
- 相続人全員分の印鑑証明書
- 該当の金融機関の申請書類
それぞれを取得できる場所なども含めて、詳しくご紹介します。
遺言書または遺産分割協議書
遺言書がある場合は、その控えを提出する必要があります。
もし遺言書がない場合は、法定相続人全員署名・捺印が入った「遺産分割協議書」を用意し、提出する必要があります。
遺言書は自宅に保管されているケースや、法務局や弁護士などへ預けられているケースがあるため、それぞれ確認しましょう。
相続人全員分の印鑑証明書
預貯金を相続する場合は、相続する全員分の印鑑証明が必要となります。
発行から一定期間が経過しているものは、金融機関によって断られてしまう可能性があるため、あらかじめ確認しておきましょう。
印鑑証明は、相続人が住んでいる地域の市区町村役場で取得可能です。
該当の金融機関の申請書類
預貯金を移す場合、キャッシュカードや通帳なども必要になります。
また、金融機関で用意されている申請書類も記入し、窓口で対応してもらいましょう。
相続登記に必要な書類一覧
相続対象に不動産がある場合は、相続登記といって不動産の名義を相続人へ変更する必要があります。相続登記には、以下のような書類が必要です。
- 遺産分割協議書
- 相続人の印鑑証明書
- 不動産の関連書類
- 委任状
それぞれを取得できる場所なども含めて、詳しくご紹介します。
遺言書または遺産分割協議書
遺言書があればコピーを提出し、遺言書がない場合は遺産分割協議書を提出します。
相続人の印鑑証明書
上記の遺産分割協議書には、相続人全員の捺印が必要となります。
そのため、相続人の印鑑証明書も併せて提出します。印鑑証明書は各相続人が居住している市区町村役場で申請しましょう。
不動産の関連書類
相続登記には、不動産の「固定資産評価証明書」や、「登記申請書」を提出する必要があります。固定資産評価証明書は、市区町村の資産税課で取得することができます。
委任状
新しい所有者がそのまま手続する場合は必要ありませんが、司法書士などの代理人が手続きを行う場合は、委任状が必要となります。委任状のフォーマットは法務局ホームページからもダウンロードできるため、参考にしてみてください。
よくある質問
相続手続きに関して、よくある質問を以下にまとめました。
相続に必要な書類や手続きについて、よくある質問とその解答を確認してみましょう。
必要書類をそろえるのにどれくらい時間がかかりますか?
書類を集めるのには、通常2週間~4週間程度かかります。しかし、ケースによってはそれ以上の時間がかかることも考えられます。
特に被相続人の戸籍謄本は、出生から死亡までの全ての履歴を取得しなければならず、転籍が多い場合は複数の役場に問い合わせる必要があります。
また、遺産分割協議書が必要な場合、協議がスムーズにいかないと書類が作成できず、手続きが遅くなるケースもあるようです。
遺産分割協議書は必ず必要ですか?
遺産分割協議書は、遺言書がない場合は必ず必要となります。
遺産分割協議書は、相続人全員が財産の分割について同意した証明を行う書類であり、全員の署名と捺印が必要です。不動産登記や銀行口座の相続手続きにおいても協議書が必要なため、早めに協議を進め、作成しておくと良いでしょう。
まとめ
相続手続きでは、被相続人や相続人の戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書、相続税申告書など、多くの書類が必要です。これらの書類を揃えるには時間がかかることがあり、早めの準備が重要です。
遺産分割協議書は、遺言書がない場合に必要不可欠で、相続人全員の合意が求められます。しかし、遺言書がない場合は遺産分割協議がスムーズに進まないこともあり、手続きの遅れの原因となってしまいます。
そうしたケースでは、専門家のサポートを受けることも大切です。協議に遅延が見られる場合は、弁護士などの専門家のアドバイスを受けることで、法的トラブルのリスクなく協議書を作成できるでしょう。 また、手続き上で困ったことがある場合は、税理士に相談するのもおすすめです。