遺言の種類
遺言は、大きく「普通方式」と「特別方式」の2種類に分類でき、さらに「普通方式」は3つ、「特別方式」は4つに分けることができます。
「普通方式」・・①公正証書遺言②自筆証書遺言③秘密証書遺言
「特別方式」・・①一般危急時②船舶危急時③伝染病隔離④在船者
このうち、一般的に多く用いられる遺言は「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」です。
公正証書遺言と自筆証書遺言
公正証書遺言と自筆証書遺言の概要等は次のとおりです。

※法改正情報
①2019年1月13日より自筆証書遺言の方式が一部緩和されます。
これまで自筆証書遺言は不動産や預貯金などの財産の記載を含めてすべて自書するものとされていましたが、法改正により不動産や預貯金についてパソコンなどで財産目録を作成することも認められることになりました。
なお、パソコンなどで作成した財産目録には各ページに署名押印をする必要があります。
②2020年7月10日より登記所にて自筆証書遺言の保管制度が始まります。
これまで自筆証書遺言を保管する公的な制度はありませんでしたが、法改正により新設された制度です。
登記所に自筆証書遺言を保管することにより、遺言者が亡くなった後に相続人の方などが保管されているかどうかを調べることができるようになります。(公正証書遺言では従前より調べることができる制度がります。)
また、自筆証書遺言を使用して手続きをするためには家庭裁判所の検認が必要ですが、保管制度を利用することにより、その検認が不要になります。
公正証書遺言の作成手順の概略
公正証書遺言は、公証人が遺言者から遺言内容を聞き取り作成する遺言です。
公証人は元裁判官や弁護士といった法律のプロの方です。
公正証書遺言の作成手順の概略は次のとおりです。
- 必要書類を集める
- 自分なりに遺言内容を検討する
- 公証人と遺言内容について打ち合わせる
- 証人2名を決める
- 遺言作成日を決める
- 遺言作成
公正証書遺言作成時の必要書類
公正証書遺言を作成する際に必要となる一般的な書類は次の通りです。
- 遺言者本人の印鑑証明書(3か月以内)
- 遺言者と推定相続人の続柄がわかる戸籍謄本
- 財産をもらう人が相続人以外の人(受遺者)の場合は、受遺者の住民票など
- 不動産がある場合は、不動産の固定資産評価額がわかる書類(評価証明書・納税通知書等)不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)
- 財産のメモ・資料
自筆証書遺言の作成のポイント
自筆証書遺言を作成する際の一般的なポイントは次の通りです。
- 内容・日付・署名はすべて自書する
- 日付を明記する
- 署名、捺印をする
- 不動産や預貯金などの遺産内容は具体的に明記する
- 遺言執行者を指定する
- 遺留分を考慮する
- 付言事項を活用する
- 封筒に入れて封印し、保管する

上記例では縦書きですが、横書きでも構いません